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場面別 気になる子の保育サポートアイデアBOOK

内容紹介

「なぜ?」を探り、具体的なサポートを提案

 落ち着きがなく走り回る、製作の指示が伝わらない、待つことや順番を守ることが難しい……。本書は、保育現場から寄せられた相談をもとに、子どもの行動の背景にある「なぜ?」を探り、子どもの発達の視点から解説するとともに、具体的な支援・対応のヒントを掲載しています。

トイレ、手洗い、活動、遊び、食事、午睡、行事の場面別

 たとえば、トイレに行きたがらない子には、トイレの環境を見直し視覚的な手がかりを提供する。遊びを切り上げるのが難しい子には、時間の経過を見える化したり、次に遊べることを伝えるなどして見通しをもってもらうなど、それぞれの場面において、その子の理由に応じた環境調整や視覚的支援、具体的な指示、代替案の提案など、現場で実践しやすいアイデアが満載です。

大人が変われば子どもが変わる

 本書は、保育者自身の心のもち方も重視し、「大人が変われば子どもも変わる」という視点を提供します。そのため、本書を読み進めているうちに、“いま目の前にいるこの子にはどんな工夫ができるだろう?”という視点をもつことができるはずです。
 なお、本書は保育現場での実践に役立つだけでなく、家庭での育児や療育、就学後の支援にも応用できるエッセンスが詰まっているので、保護者をはじめ、子どもたちの生活・成長を支えるすべての人々にとって必携の一冊です。

編集者から読者へのメッセージ

「こうあるべき」より「これもあり」

 著者の佐々木康栄さんは、日々SNSで発達障害に関する情報やサポートのポイントを発信し、多くのフォロワーに支持されています。佐々木さんは本書で、「気になる子」の行動の背景を解き明かし、具体的な支援や対応のヒントを示すことで、保育者の「どうしたらいいんだろう?」という悩みに寄り添います。紹介するアイデア・ヒントは、特別なものではなく、日々の保育のなかで無理なく実践できるものばかり。でもそれらは、「この子にはこうするべき」というものではなく、「これもあり」と引き出しを増やしてくれるものです。
 ぜひ、本書を参考に、子どもたちの個性を尊重し、安心できる環境づくりを目指してください。本書が保育者の皆様と子どもたちの笑顔あふれる毎日をサポートできることを心より願っています。

主な目次

はじめに

第1章 考え方のきほん
1 こんな状況はありませんか?
2 保育現場からの声と「ユニークな」子どもたち
3 大人が変われば子どもが変わる
4 子どもにとってわかりやすい環境はみんなの発達を促進する
5 保育者も「環境」
6 合理的配慮って何?
7 スペシャルニーズのある子への支援は専門家と協働して
COLUMN 子どもの数だけやりようはある
COLUMN プラスαの対応は「ずるい」のか?

第2章 苦手場面別 なぜ?から考える支援・対応のヒント
1 トイレ・手洗い
トイレに行きたがらない
トイレ内のルールが守れない
手を洗うのが難しい
水道の水を止めない

2 活動・遊び
走り回ってしまう
歌を聞くと不安そうにする
遊びを切り上げることができない
COLUMN 何気ない日常を楽しむ保育へ
COLUMN 「目に見える支援」で泣かなくなったAくん
片づけや整頓が難しい
製作の指示が伝わらない
気持ちのコントロールが難しい
朝夕の支度や着替えで戸惑う
COLUMN 視覚で標記することによる子どもの変化
COLUMN 支援と指示、どっちになってる?

3 友だち
待つこと、順番を待つことが難しい
貸し借りが難しい
友だちと一緒に遊ぶ場面が少ない

4 食事
給食を食べない

5 午睡
午睡の時間に眠れない

6 行事
健診を嫌がる
避難訓練を嫌がる
イベントを嫌がる
COLUMN 無視って効果あるの?
COLUMN 悩んだときほど考えてほしいこと

おわりに

著者情報

佐々木康栄(ささきこうえい)
よこはま発達グループ(クリニック・相談室・サポートルーム)
公認心理師/臨床心理士/精神保健福祉士
TEACCHプログラム研究会東北支部代表、(株)クロス・カンパニー(障害×デザイン)アドバイザー、スペシャルニーズのある人のやさしい医療をめざす会(FMCA)顧問

大学院修了後、グループホームで知的障害や自閉症スペクトラムの方々の生活支援を経て、療育センターに勤務。現在は発達障害の方々のサポートを専門とするよこはま発達グループにて医療、療育、相談、啓発活動などに従事。その他、人材育成のための講演や研修、全国の障害福祉機関や保育園/幼稚園へのコンサルテーションも担っている。