受験対策講座
保育士・筆記試験の合格率は20%前後で難関といえます。この狭き門を突破するためには、ポイントを押さえた効率のいい学習が不可欠です。このコーナーでは、近年の各科目の出題傾向や今後の対策について、その秘訣をガイドします。
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第60回 令和6年後期・保育士試験「保育の心理学」の内容や難易度は? 傾向と対策のポイント

中山麻子(なかやま あさこ)
臨床心理士。公認心理師。小田原短期大学保育学科非常勤講師、あさか保育人材養成学校講師、学校法人三幸学園大宮こども専門学校・大宮医療秘書専門学校非常勤講師。
「保育の心理学」の近年の出題傾向
傾向① 基礎理論
毎年の傾向としてまず挙げられるのが、心理学の基礎理論からの出題です。愛着(アタッチメント)理論をはじめ、ピアジェ、エリクソン、ブロンフェンブレンナー、ヴィゴツキーといった人物名および、その理論は頻出です。
令和6年・後期試験も例年同様に出題されました。
問3では子どもの発達についての説明文が5つあり、それに該当する人名(ゲゼル、バンデューラ、ヴィゴツキーなど)を語群から選択する形で出題されました。
問7ではピアジェの理論が出題されました。4つの段階におけるそれぞれの特徴を正しく理解できているかが問われました。
問9では事例を読み、エリクソンの「基本的信頼」の考え方について、一致しているものを選ぶ形で出題されました。
傾向② 発達段階
各発達段階について、その特徴を問う問題が毎回出題されています。
胎児期、乳幼児期から児童期、青年期、中年期、そして高齢期にいたるまで、それぞれの段階の特徴をあらわす専門用語も含めて、出題されることが多いです。例えば、ものの永続性、心の理論、三項関係、保存の概念、アニミズム、自己中心性、流動性知能・結晶性知能などが挙げられます。
令和6年・後期試験では、問10では学童期から青年期について、問11では高齢期について出題されました。発達加速現象、ギャンググループ、チャムグループ、サクセスフルエイジングなどがキーワードとして選択肢に含まれていました。
傾向③ 虐待や発達障害、心の問題
また、最近多くみられるのが虐待や発達障害、心の病についての出題です。
令和6年・後期試験では、問16でドメスティック・バイオレンス、問18で自閉スペクトラム症について、正しい知識を持っているかが問われました。
保育士として正しく判断し、適切に対処する能力が求められます。今後も出題の可能性が高いといえます。
傾向④ 資料の読み取り問題
この数年の特徴として、グラフや表など、資料を読み取る設題が出題されることがあります。 令和5年・後期試験、令和6年前・後期試験では、資料の読み取りは出題されませんでしたが、令和6年・後期試験では「第16回出生動向基本調査(結婚と出産に関する全国調査)」をもとにした出題がありました。
傾向⑤ 保育所保育指針
このほか、保育所保育指針に結びついた設題も出題されています。
令和5年の後期試験では、問20で、就学に向けた移行期に関して「保育所保育指針解説」にある記述の正誤を判断する選択肢が出題されました。
保育指針を読みこなしているか、なおかつ、その内容を的確に理解しているかが問われています。
今後の試験に向けた受験対策、勉強の進め方
「保育の心理学は、難しい」といった声をよく耳にします。初日の1科目目という大変な緊張の中で、受けることもあるでしょう。
ただ、それだけではなく、設題文が難しく感じられることも要因の1つではないかと思われます。出題者は受験生の知識をはかるために、いろいろな問い方をしてきます。
過去問を見てください。一見、ややこしく書かれた文章も、あとから落ち着いて読み直せば、なるほどと思うような文章も多いのではないでしょうか。本番では持っている知識を総動員できるよう、深呼吸して挑みましょう。
また令和6年・後期試験では、5つの選択肢を読んだ上で、「適切なものを2つ選びなさい」という出題形式が4問もありました。これは新しい傾向と言えます。
具体的な対策は以下の通りです。
対策①基礎理論
基礎理論を正しく理解しましょう。正確に理解していれば、短時間で解答できるはずですが、中途半端な理解では、まぎらわしい選択肢に迷い、時間を費やしてしまいます。
ピアジェ、エリクソン、ブロンフェンブレンナー、ボウルビィ、エインズワースなどの人物名と、彼らの提唱した理論をおさえてください。
万一、知らない人物名が出たとしても、選択肢の○×の組み合わせから選べるよう、頻出の理論は押さえておくと安心です。
これらの理論については、一度に覚えようとすると大変です。焦ることなく、まずは時間をかけて内容を理解し、そのあとで記憶する段階に進むとよいでしょう。
対策②発達段階
乳幼児期以外のライフステージについても、忘れないでチェックしておきましょう。
児童期、青年期、中年期、高齢期と、人の発達は続きます。それぞれのライフステージの特徴が問われる可能性も高いです。
発達を理解する上でのキーワードは、「生涯発達」です。
能力を獲得することや、成長だけではなく、体力の低下や衰退なども含め、人生における「変化」を発達とみなします。児童期以降の特徴についても必ず確認しておきましょう。
対策③虐待や発達障害、心の問題
虐待や心の病、発達障害についても確認しておきましょう。
虐待については、その種類や最近の動向を、心の病や発達障害については、名称とその主な特徴について、理解しておきましょう。
発達障害については、呼称も変化しつつあることもあわせて勉強しておきましょう(例えば、自閉症→自閉症スペクトラム、学習障害→限局性学習症など)。やはりニュースや新聞など、最新の情報に目を向けてください。
対策④社会問題
子どもに関連した社会問題に敏感になりましょう。
表やグラフで示されたものを読み取る傾向は、今後もあるかもしれません。試験本番で初めて目にするグラフが表示されたとしても、慌てず、落ち着いて目を通すことが大切です。
また、普段から新聞やニュースなど、数値データで示されるものも含めてチェックするなどして、子どもを取りまく社会情勢に関心をもつようにしましょう。
対策⑤保育所保育指針
最後に、保育所保育指針を読むことも忘れないでください。
何度も丁寧に読んで、文章になじんでおくことが大切です。
受験生へのメッセージ
「保育の心理学」には、将来、保育現場で活かせる内容が詰まっています。 受験のためと思って、ただ知識を詰め込むだけの勉強をしてしまうのは、もったいないです。知的好奇心をもって、楽しむ心を持ちながら、豊かな知識を身につけていかれますよう、心より応援しています。
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