発達が気になる子どもの運筆力・認知力が身につくワークブック
内容紹介
書字の前に必要となる「見る力」
思うように身体の動きをコントロールできない子どもが増えており、小学校の教員から筆者(作業療法士)のところへも、文字がうまく書けない子どもの相談が多く寄せられています。具体的には、「図形や斜めの線が書けない」「見たものをまねて書けない」「字のバランスが極端に悪い」「マスの中に書けない」などの課題があります。
筆者が30年以上前から学校などで子どもたちの書字の課題を観察してわかったことは、書字の苦手は手指の問題だけではなく、ものを見て把握する力、「認知力」が十分に発達していない、ということでした。そこで、文字を書くために必要となる「運筆力」と「認知力」両方を養うワークブックをおすすめします。
遊び感覚で楽しく取り組むワーク
本書ではまだ文字を書くワークはありません。直線、曲線、円、図形などを書く、面を塗るなどのワークで、様々な手指の使い方を経験します。目で見るワークは、スペースの配分を把握したり、数字を順に追って行ったり、指定のものを絵の中から探したりするワークもあります。また、消しゴムで消す、定規で線を引くなどの、目と両手の協調を必要とするワーク、左利きの人のためのワークもあります。クイズや迷路のようなワークも取り入れていますので、楽しく遊びの延長のように取り組んでください。
編集者から読者へのメッセージ
前回版から、より楽しくできるワークにリニューアル
大好評だった前書『気になる子どものできた!が増える 書字指導ワーク1 字を書くための見る力・認知力編』(2014)を、パワーアップしてリニューアルしました。子どもたちが楽しく取り組めるように、クイズ的なワークや迷路問題を増やしました。これにより、前書よりも問題も10問増え、「見る力」「先の見通しをつけて筆を運ぶ力」のトレーニングをたくさん行うことができます。
小学校入学前にぴったり!
春を迎え、これから小学校へ上がるお子さん、これから年長さんになるお子さんなどにもぴったりです。ご家庭や小学校、特別支援学校・学級、放課後等デイサービスなどでも、子どもが楽しみながら運筆力と認知力を高められる課題としてご活用いただくことができます。書くことが嫌いになってしまったり、苦手になってしまったりする前に、ぜひ、お試しください。
主な目次
本書の利用にあたって
問題に取り組む前の基本姿勢
問題1~問題63
編者情報
神奈川県立保健福祉大学 リハビリテーション学科 作業療法学専攻 教授。作業療法士。
広島大学大学院医学系研究科修了、博士(保健学)。明治学院大学大学院文学研究科心理学専攻修了、修士(心理学)。
園や小中高校を訪問し、子どもの生活・学習動作(姿勢、目と手の不器用さ)を研究テーマとし、体の使い方や発達が気になる児童・生徒の学習支援に取り組んでいる。NHK・Eテレ番組『ストレッチマン』番組企画委員、同『でこぼこポン!』番組監修を務め、テレビ・ラジオ番組出演多数。著書に『気になる子どものできた!が増える 体の動き指導アラカルト』『同 3・4・5 歳の体・手先の動き指導アラカルト』『同 書字指導アラカルト』『発達障害のある高校生・大学生のための上手な体・手指の使い方』(中央法規出版)などがある。
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発達が気になる子どもの運筆力・認知力が身につくワークブック
判型:B5
頁数:120頁
価格:2,200円(税込)
発行日:2025/3/15