
受験勉強も大事ですが、資格はなりたい自分に近づくための手段。合格後の「仕事のイメージ」を抱くことも大事です。このコーナーでは、資格の世界を知るのに役立った本や映画などを合格者が紹介します。
“笑い”を通じてお年寄りと真剣に向き合う

おすすめの理由
書店で見かけたとき、思わずタイトルにひかれて手にとりました。『笑う介護士』?――。本を開くと、著者である袖山ワールドに一気に引き込まれ、日頃のケアと比較しながら「なるほどなるほど」とうなずきつつ、一気に読んでしまいました。そこに広がる世界は袖山さんの熱意と冷静なケア論、お年寄りとの温かい関係です。著者は“笑い”を通じて、お年寄りそれぞれと向き合い、信頼関係を築いていきます。お年寄り一人ひとりと真剣に付き合うことで、お年寄りも変わっていく。笑いとは、これまであまり重要視したことがありませんでしたが、“今生きていることを心の底から体験する”ことであり、それが人として最期まで生きるうえで非常に大切なものであることがよくわかりました。
最近、介護職の人材不足が叫ばれていますが、介護という仕事ほど人として成長させてくれるものはないと感じるこの頃です。介護とは営利を第一に追求するものではなく、人と人との響き合いを奏でる仕事とでもいうのでしょうか。お年寄りを支え、支える側も成長していく、そんな新しい価値をもった仕事だと思います。だからこそ、“人”としてやりがいのある仕事だと思います。明日からの仕事に活力がもらえる、私たち介護の仕事に意味を発見できる本だと思います。
(3年の主任介護職・O)