
受験勉強も大事ですが、資格はなりたい自分に近づくための手段。合格後の「仕事のイメージ」を抱くことも大事です。このコーナーでは、資格の世界を知るのに役立った本や映画などを合格者が紹介します。

ファースト・ポジション
〜夢に向かって踊れ!〜
〜夢に向かって踊れ!〜
監督・制作:ベス・カーグマン
配給:セテラ/ミモザフィルムズ
宣伝:ミモザフィルムズ/Lem
映画公式HP→
http://firstposition-movie.com/

「ファースト・ポジション 夢に向かって踊れ!」
12月1日Bunkamuraル・シネマにてロードショー
© First Position Films LLC
一心に打ち込むことの美しさ
バレエなんて習ったこともない私ですが、新人ダンサーの登竜門であるローザンヌ国際バレエコンクールの名前くらいは知っています。そのローザンヌと並ぶ世界最高峰のコンクールが、ユース・アメリカ・グランプリ(YAGP)です。世界の名門スクールやバレエ団への足がかりとなり、国籍を問わず世界中から毎年5000人を超える応募があるそう。この作品は、プロとして活躍するために、踊り続けるために、お金がかかるバレエを続けるためにも――それぞれの夢を追って2010年のYAGPに挑んだ6人の子供たちの姿を追うドキュメンタリー映画です。
小さな身体で厳しいレッスンを受けながらしなやかに踊る11歳のアラン。
16歳のジョアンは、両親からの期待を一身に背負い、故郷・コロンビアからバレエのためにひとりで渡米しました。
カリフォルニア州に住む12歳のミコと10歳のジュールズは、日英ハーフの姉弟。姉のミコは自宅学習を選択し、バレエの練習に情熱を注ぎます。
金髪碧眼のバービー人形のようなレベッカは17歳。高校生活を楽しみながらプロのダンサーになる夢のために努力も重ねてきました。
そんなレベッカと対照的なのは、シエラレオネ生まれの14歳のミケーラ。4歳でアメリカ人夫妻の養女になり、黒い肌、筋肉質な体型というハンデをも跳ね返す決意でトレーニングを積んできました。
遊ぶ時間も削り、身体の痛みに耐え、周囲からのプレッシャーのもと――さまざまな境遇で踊り続ける彼らは、「バレエが好き」「ダンサーになりたい」という情熱の共通項でもって、何かに打ち込む人間の強さと素晴らしさを、バレエを知らない私たちにも教えてくれます。
どうやっても、受験勉強は孤独で過酷なもの。でも、夢を持って何かに打ち込むこの時間が、とても大事に思えてくる一作です。
試験まで残り約2か月。モチベーションを再度高めたいこの時期、息抜きを兼ねて映画館に足を運ぶのも手かもしれません、
(アール)