
受験勉強も大事ですが、資格はなりたい自分に近づくための手段。合格後の「仕事のイメージ」を抱くことも大事です。このコーナーでは、資格の世界を知るのに役立った本や映画などを合格者が紹介します。

平穏死のすすめ 口から食べられなくなったらどうしますか
おすすめの理由
特養でも「看取り」をするケースが増えてきました。私の所属する施設では年に1〜2ケースとまだまだ少ないですが、今後はもっと身近なものになってくると思います。著者のように特養での常勤医は非常に少なく、利用者に重篤な症状が起きれば病院に搬送するか、非常勤医師の往来を待つばかりです。介護職としては、特に人のいない夜勤にこのような状況にあわないように……と思ってしまうことさえあります。副題に「口から食べられなくなったらどうしますか」とありますが、口から食べられなくなった利用者の多くは急速に状態が悪化するように感じます。胃瘻をすればすべてが良くなるのかというと、これも「?」です。この本にも書いてあるように、法律や制度の存在から穏やかな死を迎えることがままならない現状もあります。これからは病院で死ねない時代が到来するなかで、「死」をどう捉えて向き合っていくのか。本書を読んで、関係者含めて考えていく必要があるように思いました。
介護職としては、著者も語るように利用者や家族と信頼関係を築き、最期のときを迎えるときも安心できる環境を提供することができればと思います。
(ケアワーカー やよい)