
受験勉強も大事ですが、資格はなりたい自分に近づくための手段。合格後の「仕事のイメージ」を抱くことも大事です。このコーナーでは、資格の世界を知るのに役立った本や映画などを合格者が紹介します。
やさしい気持ちになれる

ヘルプマン!
おすすめの理由
新人ケアワーカーの頃、先輩に勧められて読んだのがこの本です。高齢者問題を真っ向から取り上げた漫画はこれが最初ではないでしょうか。現在12巻まで出ているようですが、介護保険制度や高齢者虐待、認知症などさまざまなテーマでわかれているため、どの巻から読んでも理解できる内容となっています。制度の壁、介護者の苦悩、介護される側の苦悩、専門職のありようなど、さまざまな立場から考えることができる、とてもいい本だと思います。セリフや描写もすごくリアルに描かれていて、高齢者介護に携わる者であれば「あるある、こういうことある」と必ず一度は口にせずにはいられません。
最新刊は今日の話題でもある認知症がテーマでしたが、これも介護者家族、本人の気持ち、そして認知症の世界がリアルに迫ってきて、あっという間に読み終えてしまいました。介護現場は時に深刻でハードであり、ストレスを抱えやすいといえます。そんなときに、「仕事のことはもういい」といわずに、是非この本を読んでもらいたいと思います。それぞれがそれぞれの立場で悩み、ときに間違えを犯しながらも、幸せになろう、幸せにしたいがために一生懸命生きている姿にとてもやさしい気持ちになれるからです。介護がめざす姿もこうしたものではないか、基本に立ち戻れる本だと思います。
そしてこうした本を通して、関係者だけでなく、広く一般の人にも介護の世界を知ってもらえたらと思います。
(ケアワーカー・弘)