
受験勉強も大事ですが、資格はなりたい自分に近づくための手段。合格後の「仕事のイメージ」を抱くことも大事です。このコーナーでは、資格の世界を知るのに役立った本や映画などを合格者が紹介します。
“豊かな国”の本当の姿とは何なのか?

ルポ 貧困大国アメリカ
おすすめの理由
戦後世代というわけではないが、アメリカといえば国力があって、物が溢れ、裕福の象徴というようなイメージをもっていた。それなのに、当の国民の多くは、病気ひとつで貧困に陥る恐怖にさらされながら生きているという事実がこの本を読んでよくわかった。教育、医療、福祉を骨抜きにして、一定の者だけが潤う社会装置が「市場原理」という言葉に置き換えられて進められている。
日本に目を向ければ、小児医療の少なさをはじめ、病院自体の閉鎖も多く、救急車のたらい回しが問題になっている。新たに設けられた後期高齢者医療制度は、弱者切捨てだとの声も聞く。小泉政権以降、「格差社会」という言葉が登場し、若者の失業率のアップ、先進国でも例を見ない自殺者数の多さ、年金の引き下げ等々、美辞麗句で推し進められた政策は、確実に弱者を直撃しているように映る。
福祉に携わる身としては、アメリカの現状は対岸の火事ではない。“豊かな国”の姿とは何なのか。医療・保健・福祉・教育関係者の方々に是非一読していただきたい一冊である。
(ヨシオさん・管理者)