
受験勉強も大事ですが、資格はなりたい自分に近づくための手段。合格後の「仕事のイメージ」を抱くことも大事です。このコーナーでは、資格の世界を知るのに役立った本や映画などを合格者が紹介します。
利用者とその背景を素直に再確認できる一冊

正々堂々がんばらない介護
おすすめの理由
介護福祉士を目指している方の中には親の介護経験がある方は少なくないと思います。私もその一人です。切磋琢磨された介護経験は、この仕事を理解する上で大変な力となります。介護福祉士への試験勉強で私は、模擬問題集(『介護福祉士国家試験 模擬問題集』中央法規)と過去問題を徹底的にやったのですが、繰り返し解いていくと自分の得意分野と不得意な分野がはっきりとでてきます。そのなかで、老人・障害者の心理や介護技術等は大変自分の経験が反映されたように感じました。介護のプロとは、当然技術や知識が必要とされますが、利用者を取り巻く環境をどう理解するか。利用者自身と、その生活の背景をきちっと見ているのか……。この本は、そんな背景を素直な気持ちで再確認できる本でした。著者が提唱する「がんばらない精神」には、「がんばっている介護の現実」があり、介護福祉士として仕事をする現在の私にも常に力を与えてくれる影響あるフレーズが満載です。
(中島恵子さん NPO法人ケアーセンター介護福祉士会・介護福祉士)